mediezzzの日記

幼稚園保育園の制度(お金)についての備忘録、説明原稿

待機児童対策の特効薬は保育バウチャーだって記事を見たときに確認してほしいこと 仮

保育経費について

保育経費については、月30万とか50万とかが一人歩きしている。

 

まず前提として、週66時間保育、78時間開所とかいっている中で、保育士1人でみれる子どもは週40時間。

当たり前のことだよね。労働基準法を、公的に税金投入して公が監査している施設が守らずにすむわけがない。

こういう経費や、運営費補助金は、労働基準法を守る前提で、なおかつ基本的に正規労働者で回す前提で計算されます。

 

月30万ということは0歳3人保育士1人に対して経費月90万

年収360万なら会社負担経費込みで月35はいるから、月70万が人件費で20万が光熱費管理費

実際は、正規2人を正規1+非正規にして、管理運営側に回しているのだと思う。

 

実際に東京の90人保育所で、0歳の補助金は20万、地方だと1割引き。

これは、管理運営費が大きな数字で割られているからかな。

小規模とかだと賃貸補助がついて25万ぐらいの公定価格になっている。

 

公定価格はまじめにやるとぎりぎり足りなくて、搾取構造になると大もうけってラインと思ってもらえば、大筋間違いないのではないかなと思う。

 

保育所利用率

厚労省が発表している。

[http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Hoikuka/0000098603.pdf
]

大体1年間の出生児数100万人、のうち、

0歳は12万7千/100万人が保育所利用、3000人が待機児童

1歳2歳で80万/200万人が保育所利用、16000人が待機児童

待機児童に含まれない子が4万いるとのニュースもあったけど

待機児童は学年人口1~2%が保育を受けられない問題なので、保育所を利用している人、利用する気のない人を巻き込んだ制度改正を提案するなら、結構大掛かりになる。

 

0歳月30万でも、利用しない人も含めて頭割りしたら月4万、当然財源は他から持ってこないといけない。

 

 

私は利用していない0歳88%、1,2歳60%側の人間なので、そちらの給付を増やしてくれるなら大歓迎ですよ。

 

ちなみに、待機児童を多く見せたい人が、潜在待機児童300万説を持ってくるけど、あれは、

末子が未就学の世帯数(国勢調査)

 ×世帯あたりの平均兄弟数(小学校以上も含む・国勢調査)

 ×保育ニーズ(ニーズ調査において、「将来就労したい(何時かは不問)」)

から、今の利用児童数を引いているだけなので

・学童利用児を待機児童に入れている

・育休なんてない。必ず生後2ヶ月で仕事復帰する。

という前提と同条件になると思います。

 

バウチャーの金額

一番の問題はここ。

これに、

福祉の応能負担を絡めるか。

・待機児童のある地域だけか。

・保育申請を出す人だけか。

 

財源なんて国債をすればなんとでもなるからあえて無視するとして

 

待機児童のある地域だけ給付とか、保育申請出して駄目だった人だけ給付とかいったら、そこに引っ越して申請するビジネスが発生するだけだし、「認可に受かったか落ちたかだけで大きな格差があるのが問題だ」っていってバウチャーを提案するぐらいだから、地域限定とか、保育に欠ける人だけとかは無いと考える。

もちろん、自治体によって多少の金額差はあってもおかしくないけど、地域補正の範囲内じゃないと矛盾すると思う。

 

 

補助金をバウチャーに変えることで、競争が起こって質の確保が・・・というのを見る。

その場合、利用料は施設が決められる必要がある。

今の保育士待遇問題は、「補助金を国が決めていて、収入を増やす手立てがないから」であって、これをバウチャーで何とかするなら同時に利用料規制をはずす必要があるから。

 

利用料に上限がなければ、必ずバウチャー以上の保育料を設定する施設は現れる。

バウチャー以上の保育料を設定したらどうなるか。

今まで福祉枠で利用していた貧困層が最初に使えなくなる。今までほぼ無料で使えていたものが、月数万にはねあがるのだから。

 

そういう層が働かなくても十分な給付をする・・・のが、将来にわたってならともかく、自立云々を求めるなら、ある程度の就労支援は残さないといけない。でも、そういう層を切り捨てる方向で需給バランスが取れるだろう。

 

福祉の保育を固辞した厚労省をどうやって説得すればバウチャーが進むんだろうね。

 

 

あと、安ければ中身は何でもいいという路線はどの業界でも残るよ。

バウチャーで払える範囲で・・・って考える人は必ず出るし、それに応えようとすると相当のブラック路線の待遇になると思う。

 

 

追記

私は、利用しない人に現金が入る、子ども手当増額などを含めたバウチャー案には大賛成。

現状で認可フルタイム保育かそれ以外かの極論二択になっているし、

一時保育枠を今の数倍は用意してもらわないと、家庭保育者が使えるもので認可保育所と同じ頻度で整備されているものがない。

認可以外の行政の子育て支援が、使い勝手が悪くてたいしたことないから認可に殺到しているんだと思っている。

だから、認可保育所以外にも正当な補助が回る制度なら大賛成です。