部外者だからこそ適当に無認可保育園の収支を考えてみる
この話はフィクションです。
数字は実際とは大きくずれると思います。
とりあえず人数モデルを
年長:18人 担任1
年中:18人 担任1
年少:18人 担任1 年初補助には主任等をあてる
2歳:12人 担任2
1歳:12人 担任2
0歳:3人 担任1
定員81人、担任計8人、他、園長、主任、事務員
給食は面倒なんで外注、保育料に月5000円ぐらい上乗せとする
これが「8時間開設」に必要な人数。
開設時間と預かり時間は、1~2時間の差は必要。
保育園だったら11時間というなら、時間数分+引き継ぎ分増やさないとね。
なお、土地の方は
ほふく室(50平米)、保育室4(各30平米以上)、調理室、医務室、調乳室、沐浴室が必要(おそらく職員室で代用)、園庭が200平米なので15m四方ぐらい。それなりの土地が必要。
ちなみに人件費とは
私の地方の初任給平均で計算して、月収20万、賞与4ヶ月とすると、年収320万。
この場合、掛金が異常に低いと言われる私立学校共済ですら、年金+健康保険が本人負担11%、事業者負担11%で、各35万。
退職金積立が当方の財団で月額の6%なので14万。
雇用・労災保険が本人0.5%、事業者1.15%で、本人2万事業者4万。
住民税がこの年収で13万ぐらい。
すると、年収320万、手取り270万、人件費として372万ぐらい(人件費320+所定福利費52万)となります。
年収ベースで2割増し、手取りベースで5割増が実際の人件費です。
賞与と福利費を月にならすと、月収20の人でも月31万かかる計算ですね。
フランチャイズの収支モデルとかで月人件費18万とかさらっと書かれていることがありますが、「賞与なし月収15万」とか「社保は本人が国保に加入」とか「退職金もなし」でないとその経費におさまりません。
やっと本題
この人数でとりあえず補助なしでやるための必要経費を出してみましょうか。
担任8人と事務員は初任給とする→月30万*9人
主任は月収25万、年収400ぐらい→月40万
園長は手当も含めて月収30、年収500ぐらい→月50万
計360万ですね。
以上児36000円、未満児72000円払って、やっと6時間ぐらい、つまり、預かり保育ありの幼稚園分ぐらい預ける人件費が出せる計算です。
普通にやると、以上児は教材費等諸経費で2割増し+給食費で5万ぐらいかな。
8時間労働の子どもの保育時間が8時間で済むわけないだろうということで、残りをパートタイムで5時間埋めるとする。引き継ぎ考えたらこれぐらいはいる。
5時間*300日*時給1000円と考えて、↑と同じ按分をすると、以上児月額+10000円、未満児+20000円となる。
さらに、土地建物の出資者への報酬が加わる。
社福で篤志家がやっていれば別だけど、そうでなければ家賃とか株式配当とか。いくらになるかな。
結局以上児で6万円+α。未満児で平均12万+α。
大体保育所が認可で4割負担って実感と合うと思う。
で、補助のない無認可がどこを削るか。
主任分の人件費とか、園長か事務をやって事務員人件費を削るとか、月20すら払わずに安月給で働かせるとか。
それでもまだ足りない(もしくは経営者が懐に入れたい)なら、配置基準を守らずにさらに人件費を削るかしかない。
これでどういう園になるかは推して知るべし。
合わせて、「無認可にもいい園がある」がどれだけレアで且つ現場の負担に支えられているか。